土佐塩の道の由来

土佐塩の道とは

約400年前(天正から慶長の時代)、今の香南市香我美町から、赤岡町にかけての海浜は一大製塩地であり、赤岡では「塩市」が開かれていました。この塩を香美市物部町の奥地に運ぶための道を「塩の道」と言います。「塩」は人間が生きていくうえで不可欠なもので、生産地と奥地を結ぶ重要な産業道であり、塩だけでなく海の産物、山の産物などの生活必需品が相互往来して運ばれる「循環道」でありました。今でもその土地の特性を生かし「赤岡往還」、「日浦往還」、「七浦往還」、「塩が峰」など、塩に関する地名が多く残っています。当時は馬の背に荷物を積んで往来した関係で、道には馬や旅人の安全を祈願する「馬頭観音」や「地蔵尊」、神社、仏閣が数多く点在しています。今は香美市物部町大栃~香美市赤岡町の30kmの区間が「塩の道」として整備されて復元されていますが、これはほんの一部で、実際には物部町大栃から奥に入った別府方面、笹を越え、徳島県祖谷地域などへも繋がっており、まさしく人々の生活を守った「生命の道」でもありました。

現在の「土佐塩の道」

香南市と香美市にまたがる「土佐塩の道」は、地域の歴史や文化を感じることのできるウォーキングコースとして、また住民の協働による町おこしの取組みとして、両市にとってかけがえのない財産です。平成14年には住民有志による活動がスタートし、香美・香南の各保存会も発足。その後「土佐塩の道保存会」として統一されました。廃道となっていたこの道に歴史的・文化的価値を見出し、道の復元や休憩所の整備、パンフレットの作成、ウォーキングガイドの育成などの取組みを実施してきました。行政からも補助金の支給、支援員の派遣、イベントへの支援等を受け、活動に力を入れてきました。平成16年に「美しい歩きたくなる日本の道500選」に選定されてから、道の価値が広く認められるようになり、さらに平成26年には「香美市文化財」認定、平成27年10月「新日本歩く道。文化の道100選」に選定されました。現在は30kmウォーキングやトレイルランニングコースなど、多数の参加者によって開催されるイベントも定着し住民や自治体間の交流、地域経済の活性化、参加者の健康づくりなどに幅広く貢献しています。この貴重な文化遺産を次世代に継承し、地域の活力創出のために香南・香美両市に貢献していきます。

塩の道の再整備とおもな取組み

平成14年3月
 倒れていた1個の丁石復元作業により、塩の道事業が始まる。

平成15年10月
 緊急雇用対策事業により、道の整備事業、補修、橋の架橋等を行う

平成16年2月
 集落活動支援事業により、道標設置(御影石、木製)

平成16年12月
 日本ウォーキング協会選定「美しい歩きたくなる日本の道500選」選定

平成17年6月
 香我美町西川地区活性化推進協議会が塩の道整備を決定

平成18年3月
 黒見桜公園完成
 塩の道保存会香美支部設立

平成18年9月
 塩の道保存会香南支部設立
 「塩の道案内人帖」、パンフレット作成

平成19、20年
 花・人・土佐出会い博事業実施

平成19年10月
 塩の道キャラクター「さくら丸」誕生(おかもとあつし画伯制作)

平成21年4月
 第1回土佐塩の道30kmウォーク開催(参加者110名)

平成22年1月
 土佐・竜馬・出会い博公認事業に認定

平成22年3月
 高知県観光景観整備事業実施

平成22年7月
 高知工科大学にて「土佐塩の道」シンポジウム開催

平成23年9月
 「塩の道」取組み10年の集い記念イベントを赤岡町「弁天座」にて開催

平成24年12月
 香美市側観光案内看板設置事業実施
 第1回土佐塩の道トレイルランニングレース開催(参加者160名)
 (一社)香南市観光協会と共催

平成25年10月
 高松市ハイキング協会塩の道歩き受け入れ(参加者77名)

平成25年12月
 第2回土佐塩の道トレイルランニングレース開催(参加者171名)

平成26年10月
 第3回土佐塩の道トレイルランニングレース開催(参加者177名)

平成27年3月
 第7回土佐塩の道30kmウォーク開催(参加者88名)

平成27年10月
 第4回土佐塩の道トレイルランニングレース開催(参加者200名)

平成28年3月
 第8回土佐塩の道30kmウォーク開催(参加者108名)

平成28年10月
 第5回土佐塩の道トレイルランニングレースの開催(参加者108名)

これまでの整備出役数(ガイド、草刈、点検、工事含)、受け入れ数の実績

年 度 出 役 受入数
平成14年 20 25
平成15年 135 125
平成16年 30 144
平成17年 181.1 245
平成18年 278.3 265
平成19年 332.1 429
平成20年 335.1 256
平成21年 435.1 286
平成22年 252.2 244
平成23年 224.5 268
平成24年 208 350
平成25年 227.5 592
平成26年 244.5 639
平成27年 238 530
平成28年    
総 計 3141.4 4398






























今後の目標(事業)

・後継者、案内人の育成
・文化財としての位置づけ
・県内外からのツアー受入れ
・研修、視察等の情報共有をはかり組織活動を高める
・新たな分野の企画

塩の道が抱える問題・課題

・保存会員の高齢化
・案内人、後継者不足
・インフラ整備の遅れ

「塩の道」について    

日本の長い歴史の中で、昭和20年から現在に至る時代の変革は誰も想像しなかったでしょう。敗戦より立ち上がった日本は、例を見ないスピードで経済大国となり、先進国としての仲間入りをした。しかし、都市と田舎、過密と過疎、大きな格差のある社会が生まれました。
今、日本は政治、経済、地域社会、どれを見ても崩壊の続く毎日です。東日本大震災、原発事故を見たとき、自然の猛威の前には人間の持つ力の限界と弱さを知ることができました。新しい技術革新に夜工業立国日本も暗雲立ちこむ現状です。
 今こそ大きな決断と方向転換の時です。第一次産業を中心とする山村地域の見直しです。
今後日本の進むべき道は、故郷再生であり元気な田舎を復活することです。
 一個の倒壊していた丁石復旧作業を行うことにより「塩の道」が、我々の地域の大きな宝物であることに気づきました。私たちは「いざなぎの里・物部から絵金の町・赤岡へ」を合言葉に400年の間、塩や多くの物資が人や馬によって運ばれた,往還道の再整備の取組みを始めました。
大変厳しい道のりでしたが、物部から香北町から香南市・香我美町へとその輪は広がり、ついに平成18年、香美市物部町~香南市赤岡町の30kmが1本の道として繋がることができました。
 何百年に渡って人々の生命を守ってきた「塩の道」が姿を消そうとしていた今、この素晴らしい先人たちの遺してくれた悠久の至宝、歴史・文化遺産を次の世代に継承することが、私たちの使命であると感じました。緑の壮大な自然の中に「心やすらぐ場」、「遠い昔に思いを馳せることの出切る町」としての、取組みを行ってきました。真のおもてなしを心とし、今後も「塩の道」を通して交流人口の増大を図ることを目的に、ライフワークとして活動を続けていきます。

土佐塩の道保存会